名刺交換をすると、皆様から同じお言葉を頂戴します。
「 そんな人がいるなんて・・・。 」
確かに、技術畑を走って来た私が「 コンサルタント 」という異なる分野に足を踏み入れるのは、いささか不思議な感じがします。
違和感を感じる方の多くは、「 技術があるなら、技術で勝負すべきでは? 」と思うからでしょう。
私もその通りだと思いますし、当然だと思います。
但し、「 自分が持っている技術を、どういう形(商品)として展開するのか。」という、事業の基本に立ち返るとご理解頂けるように思います。
さらに、現役エンジニアからも、同じ質問を頂戴します。
「 エンジニアとコンサルって、どちらが良いですか? 」
私は、「 全くの別物です。『 何がやりたいか。 』によって変わりますよね。 」
とお返事します。
エンジニアとコンサルは、比較対象にならない程、異なるものです。
コンサルになろうと思った当初の私は、「 技術+接客 」という、ある意味、相反する要素を持つ事業を探していました。
もともと、サラリーマン時代に、技術力が有り余っていた私は、組織を窮屈に感じていました。
周囲からの評価が「 仕事が出来ない。」というものなら、今まで培ってきた技術を捨てれば良い。のですが、
どこに行っても「 出来すぎるから迷惑です。」という、耳を疑う言葉を頂戴した事がきっかけで、エンジニアの上を行こうと思い、コンサルタントという仕事に辿り付きました。
エンジニアとコンサルタントの違いを一言で申し上げるなら、
- エンジニアは、自分がやりたい人。
- コンサルタントは、人様のお世話がしたい人。
という事になります。
「 美術 」を仕事にするにも、方向性があるのと同じです。
- 自分がやりたい人は、芸術家。
- 人様のお世話が好きな人は、美術教師。
と、向き不向きがあるのと同じです。
しかし、「 技術コンサル 」は、「 向き・不向き 」だけではありません。
サラリーマンエンジニアも、職人エンジニアも、無理なんです。(→ 言い切ります。)
「 バランス感覚が優れている人。」つまり、「 技術+自律 」の両方を持ち合わせていないと出来ません。
お金儲けしたい人や、自分を主張したい人、安定を求める人は、間違いなくエンジニアとして生きていく事をお勧めします。
私は、コンサルにチャレンジして、「 良かった。 」と思っています。
これから先、自分がどれだけ多くの皆様と一緒に仕事が出来るか。
どれだけの企業に対して、どれ程の価値を提供できるか。という、大きな命題に対する責任と使命感で、自分の将来が楽しみだからです。
「 ものづくり日本の再生 」に向けて、価値ある企業作りを提供するのが、ものづくり戦略研究所の使命だと感じています。